総務労務人事のみなさま、いつもお世話になっております。
本日は、健康講話的なお話をひとつ。毛染めの話をしてみます。
というのも私自身がヘアカラーでアレルギー持ちなのですが、医師であるにも関わらず、2回目のへアカラーをしてしまい結構大変だった経験があるからです。
お店で染めて「どうですか?」と聞かれた時にはとくに気づかず、帰宅後あたりから違和感、かゆみを感じたのです。まずい、と思ったらなるべく早く皮膚科受診なのですが、とりあえずどうすればいいのかは、検索しても出てこないんです。
ここに書いておきましょう。
1.頭部と髪を洗って、残っている毛染め剤を少しでも落とす(何回でも)
2.冷やす
です。私の場合、当日夜には頭皮全体がむくんでいることを自覚。翌日には額がむくんでてかてかでしわがなくなり、そのむくみが時間がたつとともに目や頬におりてくるという体験をしました。顔が変わります。染めたのが土曜の夕方だったのですが月曜が祝日で、3日目にやっと受診できました。電話予約では2週間後といわれましたが、毛染めのあと頭全体が腫れていますと伝えたら「それでは」と受付の方の対応が変わり、1時間後に診察をしていただけました。
「そのむくみがもっと下におりてきてのどまできたら入院の可能性があります」
と皮膚科の先生には言われました。強い薬(内服と塗り薬)が出ました。指示通りしっかり飲み、入院となることは免れました。次の診察で
「毛染めは二度としてはいけません」
と念押しされました。
初めての毛染めのあと頭全体が痒くはなったものの、受診せずおさまり、そおのあとはおとなしくヘアマニキュアにしていたのですが、
「刺激の弱いヘアカラーが出たから試してみますか?」
と聞かれ、本当につい、「やってみます」と言ってしまったのでした。
初回から2回目まで5年の期間があったのですが、アレルギーとは、時間がたてばなくなるものでは決してないんです、そして1回目より2回目のほうがひどくなるんです。医師として頭でしっていたものの、行動と選択にその知識を活かすことができなかったという大失敗話です。
せめて他の方が同じ失敗をしないよう、ここに書かせていただいています。
毛染めによるかぶれは、ヘアカラー(ヘアダイ、白髪染め、おしゃれ染めなど)に用いる2種の染毛剤のうち、1剤に含まれるパラフェニルジアミン(PPD)が原因といわれています。市販の毛染め剤には必ず、パッチテストをするように記載されています。
PPDでパッチテストをしたところ、日本人の9%が陽性を示したという報告があります。
1割弱、というのは、けっこう高い数字かと思います。ヘアカラーで頭のトラブルを感じている方実は多い可能性があります。男女とも、中高年で白髪染めはしている方々は少なくないでしょう。
また、PPD以外の染料が原因でアレルギー性接触性皮膚炎を生じることもあります。
ヘアカラーでかぶれやかゆみを感じた方は、その後のヘアカラーの使用はしないでくださいね。
痛い目にあう可能性があります。私のように。
症状が軽いからと使用を続けると、軽かった症状がどんどん悪化する可能性が高いです。皮膚科にいってパッチテストを受けて確かめ、皮膚科の先生の話をよく聞いてください。
私の場合はヘアマニキュアなら接触性皮膚炎は起こさず、染められていますが何に反応するかは人それぞれです。ヘアマニキュアや植物染料のヘナでもかぶれを起こす可能性はゼロではありませんので染めた後に、かゆみやかぶれを感じたらヘアカラーと同じです、二度目は行わず、皮膚科の先生に相談してくださいね。
自分の身を守るのは、自分です。
2020/10/8 産業医とねりこ記