人事総務労務の皆さん、いつもお世話になっております、産業医のとねりこです。
本日10/12には、昨年9月に比べ自殺者が8.6%増加しているとの報道がされました。コロナによる生活の大きな変化の影響がじわじわと出てきていることが背景にあると考えられます。
コロナの影響はいろいろなところに出ています。産業医としてお世話になっている会社でも、定期的に面談している方が、自粛期間中は「外出できない」と閉じこもってしまっていたり、普段快活な総務の方がコロナの感染予防対策で、我々の視点からみれば過剰な準備をしなければと躍起になっていたりします。
今回の大きな変化は、誰にとっても大きなストレスとなっています。
前と変わらず平気の平左なひとはいないでしょう。
よく言われることですが、同じストレスがかかっても個人により「受け止め方」「反応の速度」「反応の仕方」は違うのです。
緊急事態宣言が出てから半年、まだ在宅勤務がメインの会社もあれば、緊急事態宣言の最中も変わりなく通常勤務であった会社もあるでしょう。
私が担当させていただいている会社では、緊急事態宣言中はやはり在宅勤務が導入されたところが多かったのですが、そのような中でも時間外超過者面談でお会いした方々の中である程度の割合で、「前より元気」とご自分から言われる方々がいたのは驚きでした。
通勤時間がなくなった分を残業にあてて、空いた時間は自分のための活動に使う方々がいたのです。時間外超過者面談ですので、法定残業時間で月80時間以上の残業をされた方々なのですが、声にも張りがあり、本当にお元気そうでした。
環境の大きな変化に皆さん疲れているだろうと覚悟して臨んだ面談で、元気な方々が少なくない割合でおられ、人間の柔軟性、可塑性に驚かされました。外出自粛の中、彼らはしっかりと活動をして体重も減っていました。残業をして帰宅し夕食が遅くなることがなく、家族と同じ時間に夕食をとることでむしろ健康的になっていたんですね。
いろいろな方がおられますが、もし、あなたが、なんだかイライラしやすいな、とか余裕がなくなった、とか疲れた、とか思ったり感じたりすることが多くなったな、と感じていたら、意識して、自分のための時間をつくってください。
前をみて、歩いてみることもいいですね。歩くときは、顔を上げて前をみましょう。心は体の影響を受けますから、前を見て手を振って大股で歩いてみるだけでも心は前向きに元気になります。
家族と暮らしている方は、「一人になる時間」を作りましょう。
小さい子のいらっしゃる男の方なら、休日にこどもを公園などにつれていって、奥様に「一人時間」をプレゼントしてください。休日に家族みんなで外出、より確実に妻は嬉しいです。
一人暮らしの方も、「好きなことをする時間」を大事に過ごしてください。
ゲームでもいいと思います。料理でも裁縫でも模型でも映画鑑賞でもなんでもいいと思います。自分が好きになれることに没頭できる時間を自分の生活の中にとりいれてください。
でもたまには外に出て、季節の変化を肌で感じていただくといいと思います。
前を向いて歩くのはおすすめです。20分もあれば、都心なら隣駅に歩けますね、ぜひ歩いてみてください。家の周りを散策してみるのもいいかもしれません。
2020/10/13 産業医とねりこ記